体罰をつかわない子育てハンドブック


2019年、改正児童虐待防止法が成立し、翌年4月から施行され、体罰が法的に禁止されています。厚生労働省から禁止される具体例として、〔口で3回注意したが言うことを聞かないので頬を叩く〕、〔大切なものにいたずらをしたので長時間正座させる〕、〔友達を殴ってケガをさせたので同じように殴る〕、〔他人の物を盗んだので罰として尻を叩く〕、〔宿題をしなかったので夕ご飯を与えない〕が示されました。

これに対して“愛情を込めて叩くのは問題ない”、“本当に悪いことだと理解させるのには痛みが必要”等の声があるようです。そうでしょうか? 体罰のもたらすマイナス面を理解せず、体罰を使わないでしつける方法を知らないからではないでしょうか。有無を言わさず、即時の効果を期待して怒鳴ったり叩いたりすると、子どもは〔意見が違う時にはわめいたり暴れたりすればいいのだ〕と思うかもしれません。

赤ちゃんは泣いて“お腹がすいたよ”、“おむつが濡れて気持ちが悪いよ”と知らせます。幼児は伝えたいことを表現する言葉を知らずに叩いたりすることがありますが、「おもちゃを貸してと言うのよ」、「嫌な時は“やめて”と言おうね」と教えてもらって身につけていきます。もし、教えてもらえなかったら、コミュニケーションする力はつきません。成長して、気に入らないときに暴れるなら、家庭内暴力、DV(ドメスティック バイオレンス)、パワハラの加害者とみなされ、本人にはその自覚がないという状況になるかもしれません。周りの人にも、そして何よりも本人にとって、大変不幸なことだと思います。

未来の担い手である子どもたちには、〔自分〕や〔人〕を大切にし、想い、考え、どうして欲しいかを〔言葉で伝える〕スキルを身につけてほしいものです。

なぜ体罰でしつけてはいけないかを、直接子育てしている方のみならず全ての人に知ってもらい、体罰を使わない子育ての方法や、子育てに困った時の相談先を示すことが大切です。子育ては親だけではなく、そのようにして社会全体で支援するようになればと願ってやみません。

ハンドブックを用いた講義希望の団体・個人には、当会から講師を派遣します。

講師派遣をご希望の方やハンドブックについてのお問い合わせは、

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体罰をつかわない子育てハンドブック

≪目次≫

体罰に関するQ & A
  Q1 体罰ってなに?
  Q2 しつけと体罰との違いは?
  Q3 体罰の問題性は?
一緒に考えてみましょう
・イライラして、怒鳴ってしまった
・口で言うだけでは、
 子どもが理解しないから叩いた
 地域で子育て
≪体罰に関する調査から思うこと≫

特定非営利活動法人 子どもの虐待防止ネットワーク・かがわ

このハンドブックは、赤い羽根共同募金「子どもの虐待を防止するためのプロジェクト募金」で作成しています。